熊本大学(黒髪地区放射性同位元素総合研究室)放射線障害防止規則
目次
第1章 総則(第1条−第5条)
第2章 組織及び職務(第6条−第15条)
第3章 施設の新設及び改廃並びに報告(第16条・第17条)
第4章 記帳、維持管理及び自主点検(第18条−第27条)
第5章 放射線取扱者の管理(第28条−第32条)
第6章 使用、購入、譲受け、保管、譲渡し、運搬及び廃棄(第33条−第46条)
第7章 危険時の措置(第47条−第50条)
第8章 雑則(第51条・第52条)
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規則は、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和32年法律第167号。以下「法」という。)に定める放射線障害予防規定とする。
2 この規則は、法及び人事院規則10−5(職員の放射線障害の防止)に定めるもののほか、熊本大学(黒髪地区放射性同位元素総合研究室)(以下「研究室」という。)における教育・研究に関する放射性同位元素の取扱い及び管理に関する事項を定め、放射線障害の発生を防止し、併せて公共の安全を確保することを目的とする。
(用語の定義)
第2条 この規則において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。
(1)放射性同位元素法の規制対象となる放射性同位元素をいう。
(2)放射線施設放射性同位元素の使用施設、貯蔵施設及び廃棄施設をいう。
(3)部局各学部、大学院自然科学研究科、医学部附属病院、地域共同研究センター、機器分析センター、遺伝子実験施設、アイソトープ総合センター、エイズ学研究センター、動物資源開発研究センター、衝撃・極限環境研究センター、発生医学研究センター、沿岸域環境科学教育研究センター、保健管理センター及び医療技術短期大学部をいう。
(4)部局長前号の各部局の長(医療技術短期大学部にあっては部長)をいう。
(5)健康管理部局長健康診断の実施に関する事務を所掌する事務局長及び保健管理センター所長をいう。
(6)放射線取扱者第28条により放射性同位元素を取り扱うために登録された者をいう。
(7)管理区域放射性同位元素等による放射線障害防止に関する法律施行規則(昭和35年9月30日総理府令第56号。以下「施行規則」という。)に定める放射線障害の発生するおそれがあるとして定められた区域をいう。
(8)一時立入者管理区域に、見学及び施設・設備の保守等を行うために一時的に立ち入る者をいう。
(適用範囲)
第3条 この規則は、研究室の放射線施設に立ち入る者に適用する。
(関係規則等の遵守)
第4条 放射性同位元素の取扱いに係る保安については、この規則に定めるもののほか、次に掲げる規則等によるものとする。
(1)熊本大学職員健康安全管理規則(昭和35年9月1日制定)
(2)熊本大学自家用電気工作物保安規則(昭和42年3月7日制定)
(3)熊本大学組換えDNA実験安全管理規則(昭和62年3月26日制定)
(4)熊本大学動物実験指針(昭和63年10月27日制定)
(5)熊本大学毒物及び劇物取扱要項(平成10年11月26日制定)
(実施要項の制定)
第5条 研究室長は、この規則に定める事項の実施に関し、熊本大学(黒髪地区放射性同位元素総合研究室)放射線障害防止規則実施要項を定めるものとする。
第2章 組織及び職務
(組織)
第6条 研究室における放射線障害防止に関する組織は、別表のとおりとする。
(学長の職務)
第7条 学長は、研究室における放射線障害の防止及び安全の確保に関する事項を総括する。
(部局長及び研究室長の職務)
第8条 部局長は、当該部局に所属する放射線取扱者に必要な教育及び訓練並びに健康管理及び被ばく線量管理を総括する。
2 研究室長は、研究室の放射線管理並びに施設及び設備管理を総括する。
3 部局長及び研究室長は、前2項に定める職務に関し連絡調整を行う。
(放射性同位元素委員会)
第9条 研究室における放射線障害の防止に関し必要な事項は、熊本大学放射性同位元素委員会(以下「委員会」という。)において審議する。
(放射線取扱主任者)
第10条 研究室に、放射線取扱主任者若干人を置く。
2 前項の放射線取扱主任者は、第一種放射線取扱主任者免状を有する者のうちから、研究室長の推薦に基づき、学長が選任する。
3 学長は、放射線取扱主任者が、病気その他の理由により、職務を行うことができないときは、第一種放射線取扱主任者免状を有する者のうちから、代理者を選任し、その職務を代行させる。
(放射線取扱主任者の職務)
第11条 放射線取扱主任者は、次に掲げる事項を行う。
(1)規則の制定及び改廃への参画に関すること。
(2)放射線障害防止のために重要な計画の作成に関すること。
(3)法に基づく申請、届出及び報告に関すること。
(4)立入検査等の立会いに関すること。
(5)異常及び事故の原因調査に関すること。
(6)放射性同位元素の使用状況等及び施設、帳簿、書類等の監査に関すること。
(7)関係者への助言、勧告及び指示に関すること。
(放射線安全管理者)
第12条 放射線管理業務を行うため、研究室に、放射線安全管理者1人を置き、研究室長の推薦に基づき、学長が選任する。
第13条 放射線安全管理者は、次に掲げる事項を行う。
(1)管理区域に立ち入る者の入退域、放射線被ばく及び放射性汚染の管理に関すること。
(2)放射線施設、管理区域に係る放射線の量及び表面汚染密度の測定に関すること。
(3)放射線測定機器の保守管理に関すること。
(4)放射性同位元素の受払い、使用、保管、運搬及び廃棄に関する管理に関すること。
(5)放射線作業の安全に係る技術的事項に関すること。
(6)放射線取扱者等に対する教育及び訓練の実施に関すること。
(7)放射性廃棄物の保管及びそれらの処理に関すること。
(8)第1号から前号までに必要な記帳及び記録の管理に関すること。
(9)その他安全管理に関し必要な事項
(取扱責任者)
第14条 放射線作業ごとに、放射線利用者の中から取扱責任者1人を定める。
2 取扱責任者は、当該作業に従事する者に対し、放射性同位元素の取扱いについて適切な指示を与えるとともに、譲受け、使用、保管、譲渡し、運搬及び廃棄について記帳し、放射線安全管理者に報告しなければならない。
(健康管理医)
第15条 第31条に定める健康診断を実施するため、健康管理医若干人を置き、熊本大学職員健康安全管理規則(昭和35年9月1日制定)第7条第1項に定める者をもって充てる。
第3章 施設の新設及び改廃並びに報告
(施設の新設及び改廃)
第16条 研究室長は、放射線等施設の新設、変更又は廃止の計画がある場合は、学長に事前に、その許可を申請しなければならない。
2 学長は、前項の申請があった場合は、その可否について、委員会の議を経て、これを決定する。
(管理状況報告書)
第17条 研究室長は、施行規則第39条第3項により毎年4月1日からその翌年の3月31日までの期間について、施設等の点検の実施状況、放射性同位元素の保管の状況等について、放射線管理状況報告書を作成し、翌年度の5月31日までに、学長に提出しなければならない。
2 学長は、前項の報告書を毎年6月30日までに、文部科学大臣に提出するものとする。
第4章 記帳、維持管理及び自主点検
(放射線等施設における注意事項の掲示等)
第18条 研究室長は、管理区域の入り口に、立入りに関する注意事項を掲示し、当該区域に立ち入る者に遵守させなければならない。
2 研究室長は、放射性同位元素の使用及び保管に関する注意事項を掲示しなければならない。
(記帳及び帳簿の閉鎖)
第19条 研究室長は、放射性同位元素の購入又は譲受け、使用、保管、譲渡し、運搬及び廃棄に係る記録を行う帳簿を備え、記帳しなければならない。
2 前項の帳簿に記帳すべき項目は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1)購入又は譲受け
イ放射性同位元素の種類及び数量
ロ放射性同位元素の購入又は譲受けの年月日
ハ放射性同位元素の購入元及び購入する者並びに譲渡し者及び譲受け者の氏名
(2)使用
イ放射性同位元素の種類及び数量
ロ放射性同位元素の使用の年月日、目的、方法及び場所
ハ放射性同位元素の使用に従事する者の氏名
(3)保管
イ放射性同位元素の種類及び数量
ロ放射性同位元素の保管の期間、方法及び場所
ハ放射性同位元素の保管に従事する者の氏名
(4)譲渡し
イ放射性同位元素の種類及び数量
ロ放射性同位元素の譲渡しの年月日
ハ放射性同位元素の譲渡し者及び譲受け者の氏名
(5)運搬
イ学外における放射性同位元素の運搬年月日及び方法
ロ荷受け人又は荷送り人、運搬を委託された者及び運搬に従事する者の氏名
(6)廃棄
イ放射性同位元素の種類及び数量
ロ放射性同位元素の廃棄の年月日、方法及び場所
ハ放射性同位元素の廃棄に従事する者の氏名
3 研究室長は、第1項の帳簿を年度ごとに閉鎖し、5年間保存しなければならない。
(火災対策)
第20条 研究室長は、火災の際の措置について、事前に所轄の消防署と協議しなければならない。
(施設の定期自主点検)
第21条 研究室長は、毎年7月及び1月の年2回、施設の点検を行うものとし、その結果について記録し、当該記録を5年間保存しなければならない。
2 研究室長は、点検の結果、異常を認めたときは、修理等必要な措置を講じなければならない。
3 研究室長は、施設の点検を終了したとき又は前項の措置を講じたときは、速やかに学長に報告しなければならない。
(帳簿の自主点検)
第22条 部局長、研究室長及び健康管理部局長(以下、次項において「部局長等」という。)は、毎年7月に帳簿の点検を行い、点検結果の記録を5年間保存しなければならない。
2 部局長等は、点検の結果、記帳に不備を認めたときは、必要な措置を講じなければならない。
3 部局長等は、帳簿の点検を終了したとき又は前項の措置を講じたときは、速やかに学長に報告しなければならない。
(放射線測定器の保守)
第23条 研究室長は、安全管理に係る放射線測定器について、常に正常な機能を維持するように保守しなければならない。
(放射線障害のおそれがある場所の測定)
第24条 研究室長は、放射線障害のおそれがある場所について、放射線の量及び放射性同位元素による汚染の状況の測定を行い、その結果を評価し、記録しなければならない。
2 放射線の量の測定は、原則として1センチメートル線量当量を単位とし、放射線測定器を使用して行わなければならない。
(密封されていない放射性同位元素取扱施設の測定)
第25条 密封されていない放射性同位元素(以下「非密封RI」という。)取扱施設の測定は、次のとおりとする。
(1)放射線の量の測定の場所使用施設、貯蔵施設、廃棄施設、管理区域境界及び事業所の境界
(2)放射性同位元素による汚染状況の測定場所作業室、廃棄作業室、汚染検査室、排気設備の排気口、排水設備の排水口及び管理区域境界
2 実施時期は、取扱開始前に1回、取扱開始後にあっては、1月を超えない期間ごとに1回、排気口又は排水口の測定は、排気又は排水の都度、行わなければならない。
(密封された放射性同位元素取扱施設の測定)
第26条 密封された放射性同位元素(以下「密封RI」という。)取扱施設の放射線の量の測定場所は、使用施設、貯蔵施設、管理区域境界及び事業所の境界とする。
2 実施時期は、取扱開始前に1回、取扱開始後にあっては、1月を超えない期間ごとに1回とする。ただし、機器に装備されているものであって、当該機器を固定して使用し、かつ、しゃへいの状態が一定である場合には、6月を超えない期間ごとに1回とする。
(測定結果の記録)
第27条 研究室長は、前2条までの測定に係る日時、場所、測定者の氏名、放射線測定器の種類・形式、測定方法及び測定結果を5年間保存しなければならない。
第5章 放射線取扱者の管理
(放射線取扱者の登録)
第28条 研究室において放射線に係る教育研究、管理又はこれに付随する業務に従事しようとする者及び放射線関連授業の実習を履修しようとする者は、次の各号に掲げる場合は、自己の所属する部局長に登録を申請しなければならない。
(1)管理区域へ立ち入るとき。
(2)放射性同位元素を取り扱うとき。
2 部局長は、前項の申請があった場合は、次条に定める教育及び訓練の結果並びに第31条に定める健康診断の結果を照査し、放射線取扱主任者の意見を聴取し、判定の上、登録しなければならない。
3 部局長は、前項により登録された放射線取扱者の氏名を研究室長及び健康管理部局長に通知しなければならない。
4 部局長は、第2項により登録を行った場合は、当該放射線取扱者に対して、放射線取扱者手帳を交付しなければならない。
5 部局長は、年度ごとに登録に係る記録を作成し、保管しなければならない。
6 放射線取扱者手帳を受領した放射線取扱者は、必要な項目を記入し、健康診断結果の写し及び被ばく線量測定結果の写し等を貼付し保管しなければならない。
7 第2項の規定による登録の有効期間は、登録した年度内とし、更新することができる。
この場合において、第1項から第4項までの規定を準用する。
8 放射線取扱者は、登録事項の変更があるときは、その旨を速やかに部局長に申請しなければならない。
9 部局長は、前項の申請があった場合は、第2項に定める方法により登録事項を変更する。
10 放射線取扱者は、放射性同位元素の取扱いを中止したときは、登録の取消しを部局長に届け出なければならない。
11 部局長は、前項の届出があった場合は、登録の取消しを行う。
12 部局長は、第9項及び第11項の手続を行った場合は、その旨を研究室長及び健康管理部局長に通知しなければならない。
(教育及び訓練)
第29条 委員会は、放射線取扱者に係る教育及び訓練に関し、次に掲げる項目及びこれらに必要な時間数を企画し、放射線取扱者の所属する部局長が実施しなければならない。
(1)放射線の人体に与える影響30分間以上
(2)放射性同位元素、放射性廃棄物の安全取扱い4時間以上
(3)放射線障害の防止に関する関係法令1時間以上
(4)本規則等30分間以上
(5)女性の被ばく線量限度
(6)その他放射線障害の防止に関し必要な事項
2 放射線取扱者は、初めて管理区域に立入る前及び初めて取扱いを行う前に、及び管理区域に立入った後又は取扱いを行った後においては1年を超えない期間ごとに、前項の項目について教育及び訓練を受けなければならない。
3 前項の規定にかかわらず、第1項各号に掲げる項目の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると委員会が認める者は、当該項目に関する教育及び訓練を省略することができる。
4 部局長は、受講者の氏名、受講年月日及び項目並びに第3項の規定により教育及び訓練を省略した者の氏名及び省略した理由を記録し、年度ごとに閉鎖して、5年間保存しなければならない。
5 部局長は、前項の記録を研究室長に通知しなければならない。
6 研究室長は、一時立入者に対し、放射線障害の発生防止に関し必要な教育及び訓練を行わなければならない。
(個人被ばく線量の測定)
第30条 部局長は、放射線取扱者について、管理区域に立ち入っている間継続して、外部被ばくによる線量を次に掲げる項目ごとに測定しなければならない。
(1)胸部(女子(妊娠不能と診断された者及び妊娠の意思のない旨を部局長に書面で申し出た者を除く。ただし、合理的な理由があるときはこの限りでない。)にあっては腹部)について、1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量(中性子線については、1センチメートル線量当量)
(2)頭部及びけい部から成る部分、胸部及び上腕部から成る部分並びに腹部及び大たい部から成る部分のうち、外部被ばくによる線量が最大となるおそれがある部分が胸部及び上腕部から成る部分(前号において腹部について測定することとされる女子にあっては、腹部及び大たい部から成る部分)以外の部分である場合にあっては、前号のほか、当該外部被ばくによる線量が最大となるおそれがある部分について、1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量(中性子線については、1センチメートル線量当量)
(3)人体部位のうち、外部被ばくによる線量が最大となるおそれがある部位が、頭部、けい部、胸部、上腕部、腹部及び大たい部以外の部位である場合にあっては、前2号のほか、当該部位について、70マイクロメートル線量当量(中性子線を除く。)
2 研究室長は、放射性同位元素を誤って摂取した者については、その都度、摂取するおそれがある場所に立ち入る者については、3月を超えない期間ごとに1回(本人の申出等により部局長が妊娠の事実を知ることとなった女子にあっては、出産までの間1月を超えない期間ごとに1回)内部被ばくによる線量の測定を行い、その結果を、被測定者の所属する部局長に報告しなければならない。
3 部局長は、前2項の規定に基づき、測定対象者及び測定実施者の氏名、放射線測定器の種類及び形式、測定方法、測定部位及び測定結果を記録しなければならない。
4 部局長は、前項の測定結果については、4月1日、7月1日、10月1日及び1月1日を始期とする各3月間、4月1日を始期とする1年間並びに本人の申出等により部局長が妊娠の事実を知ることとなった女子にあっては、出産までの間毎月1日を始期とする1月間について、当該期間毎に集計し、記録しなければならない。
5 部局長は、第1項及び第2項の測定結果から実効線量及び等価線量を算定し、算定年月日、算定対象者及び算定者の氏名、算定対象期間、実効線量、等価線量及び組織名を記録し、年度ごとに閉鎖しなければならない。
6 部局長は、前項による実効線量の算定の結果、4月1日を始期とする1年間についての実効線量が20ミリシーベルトを超えた場合は、平成13年4月1日以後5年ごとに区分した期間のうち、当該1年間を含む期間の実効線量について、集計年月日、集計対象者及び集計者の氏名、集計対象期間及び累積実効線量を記録し、年度ごとに閉鎖しなければならない。
7 部局長は、前2項の記録を永久に保存するとともに、閉鎖の状況を学長に報告し、及び被ばくの状況について健康管理部局長及び委員会委員長(以下「委員長」という。)に報告しなければならない。
8 部局長は、前項の記録の写しを、記録の都度、放射線取扱者に交付しなければならない。
9 放射線取扱者は、前項により交付を受けた記録の写しを放射線取扱者手帳に貼付しなければならない。
10 部局長は、女性の放射線取扱者から妊娠不能との診断された旨及び妊娠の意思のない旨の書面による申出があった場合は、女性の放射線取扱者の線量限度のうち、4月1日、7月1日、10月1日及び1月1日を始期とする各3月間につき5ミリシーベルトの実効線量限度の適用を除外することができる。
11 前項の書面は、本人の自発的な提出によらない場合は無効とする。
12 第10項の書面により申し出た女性は、その申出をいつでも撤回することができる。
13 女性の放射線取扱者は、妊娠の事実がある場合は、その旨を部局長に書面により申し出なければならない。
14 部局長は、前項の申出があった場合は、妊娠に係る被ばく線量限度を適用しなければならない。
15 部局長は、第10項及び第13項の書面による申出があった場合は、その秘密を守らなければならない。
16 研究室長は、一時立入者について、外部被ばく及び内部被ばくによる実効線量が100マイクロシーベルトを超えるおそれがあるときは、測定を行わなければならない。
(健康診断)
第31条 健康管理医は、健康管理部局長の依頼に基づき、法の定めるところにより管理区域に立ち入る放射線取扱者に対し、当該者が初めて管理区域に立ち入る前及び立ち入った後に、定期的に健康診断を行わなければならない。
2 健康診断は、問診及び検査又は検診とする。
3 問診は、次に掲げる事項について行わなければならない。
(1)放射線(1メガ電子ボルト未満のエネルギーを有する電子線及びエックス線を含む。次号について同じ。)の被ばく歴の有無
(2)被ばく歴を有する者については、作業の場所、内容、期間、線量、放射線障害の有無その他放射線による被ばくの状況
4 検査又は検診は、次の部位及び項目について行わなければならない。ただし、第1号から第3号までの部位又は項目(放射線取扱者が初めて管理区域に立ち入る前に行う健康診断にあっては、第1号及び第2号の部位又は項目を除く。)については、健康管理医が必要と認める場合に行わなければならない。
(1)末しょう血液中の血色素量又はヘマトクリット値、赤血球数、白血球数及び白血球百分率
(2)皮膚
(3)眼
(4)その他文部科学大臣が定める部位及び項目
5 健康管理部局長は、第1項に定めるもののほか、次に掲げる事態が生じた場合は、速やかに健康診断を行わなければならない。
(1)放射性同位元素を誤って摂取した場合
(2)放射性同位元素により表面密度限度を超えて皮膚が汚染され、その汚染を容易に除去することができない場合
(3)放射性同位元素により皮膚の創傷面が汚染され、又は汚染されたおそれがある場合
(4)実効線量限度又は等価線量限度を超えて放射線に被ばくし、又は被ばくしたおそれがある場合
6 健康管理部局長は、第1項及び前項の規定による健康診断の結果を記録し、放射線取扱者が所属する部局長に通知しなければならない。
7 健康管理部局長は、前項の記録を年度ごとに閉鎖し、永久に保存しなければならない。
8 部局長は、第6項の記録の写しを健康診断の都度、放射線取扱者に交付しなければならない。
9 放射線取扱者は、前項により交付を受けたときは、放射線取扱者手帳に貼付しなければならない。
(放射線障害を受けた者等に対する措置)
第32条 部局長は、放射線取扱者が放射線障害を受けた場合、又は受けたおそれがある場合には、放射線取扱主任者及び健康管理医と協議し、その程度に応じ、管理区域への立入り時間の短縮、立入りの禁止、配置転換等健康の保持等に必要な措置を講じなければならない。
第6章 使用、購入、譲受け、保管、譲渡し、運搬及び廃棄
(使用の許可)
第33条 取扱責任者は、研究室に立ち入る場合(管理又はこれに付随する業務の目的で立ち入る場合を除く。)は、あらかじめ研究室長に申請し、その許可を受けなければならない。
(放射線取扱者の義務)
第34条 放射線取扱者は、放射線作業を行うときは、実効線量限度及び等価線量限度を超える被ばくを防止するため、放射線取扱主任者の指示に従い、放射線のしゃへい又は作業時間の制限等の措置を講じ、被ばくする線量を可能な限り低く抑えなければならない。
(一時立入りの許可)
第35条 一時立入者は、研究室長の許可を受けなければならない。
2 18歳未満の者は、原則として管理区域への立入りを禁止する。
(管理区域における遵守事項)
第36条 管理区域に立ち入る者は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1)定められた出入口から出入りすること。
(2)管理区域に立ち入るときは、所定の様式に必要な事項を記入すること。
(3)個人被ばく線量の放射線測定器を指定された部位に着用すること。
(4)放射線取扱主任者が放射線障害を防止するために行う指示、その他施設の保安を確保するための指示に従うこと。
2 非密封RI施設の管理区域に立ち入る者は、前項各号に掲げるもののほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1)専用の作業衣、履物、その他必要な保護具等を着用し、かつ、これらのものを着用してみだりに管理区域の外へ出ないこと。
(2)法の定める作業室において飲食及び喫煙を行わないこと。
(3)管理区域から退出するときは、身体、衣服等の汚染検査を行い、汚染が検出された場合は、放射線取扱主任者又は放射線安全管理者に連絡するとともに、直ちに除染に必要な措置を取ること。
(非密封RIの使用)
第37条 放射線取扱者は、非密封RIを使用する場合は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1)所定の使用数量を超えないこと。
(2)排気設備が正常に動作していることを確認すること。
(3)吸収材、受け皿の使用等汚染の防止に必要な措置を講じること。
(4)しゃへい壁その他しゃへい物により適切にしゃへいすること。
(5)遠隔操作装置、かん子等により線源との間に十分な距離を設けること。
(6)放射線に被ばくする時間をできるだけ少なくすること。
(7)作業室においては、作業衣、保護具等を着用して作業し、かつ、これらを着用してみだりに管理区域から退出しないこと。
(8)作業室から退出するときは、人体及び作業衣、履物、保護具等人体に着用している物の汚染を検査し、汚染が検出された場合は直ちに除染すること。
(9)表面の放射性同位元素の密度が表面密度限度を超えているものは、みだりに作業室から持ち出さないこと。
(10)前号に規定する限度が10分の1を超えているものは、みだりに管理区域から持ち出さないこと。
(11)非密封RIの使用中にその場を離れる場合は、容器及び使用場所に所定の標識を付け、必要に応じて柵等を設け、注意事項を明示する等、事故発生の防止措置を講じること。
(密封RIの使用)
第38条 放射線取扱者は、密封RIを使用する場合は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1)放射線測定器により密封状態が正常であることを確認すること。
(2)前条第4号から第6号までに関すること。
(3)密封RIを移動して使用する場合は、使用後直ちにその密封RIの紛失、漏えい等異常の有無を放射線測定器等により点検し、異常が判明した場合は、検査その他放射線障害を防止するために必要な措置を講じること。
(4)機器に装備された密封RIを使用する場合は、密封RIを機器に固定したままで使用すること。
(5)インターロックを設置している場合は、使用前にインターロック等が正常に作動することを確認するとともに、立入りを禁止している区域に人がいないことを確認すること。
(6)密封RIの使用中にその場を離れる場合は、容器及び使用場所に所定の標識を付け、必要に応じて柵等を設け、注意事項を明示する等、事故発生の防止措置を講じること。
(購入及び譲受け)
第39条 研究室長は、放射線施設の貯蔵能力の範囲内で放射性同位元素を購入し、又は譲受けることができる。
(保管)
第40条 研究室長は、放射性同位元素を保管する場合は、次に掲げる事項に留意しなければならない。
(1)放射性同位元素は、放射線取扱主任者の助言に基づき、所定の容器に封入し、貯蔵施設において保管すること。
(2)貯蔵施設の貯蔵能力を超えて放射性同位元素を貯蔵しないこと。
(3)放射性同位元素をみだりに持ち運ぶことができないようにするための必要な措置を講じること。
(4)非密封RIを保管する場合は、汚染の拡大を防止する措置を講じること。
(5)密封RIであって機器に装備されているものは、装備した状態で保管し、シャッター機構のあるものは、保管中の容器のシャッターを閉止すること。
(譲渡し)
第41条 研究室長は、譲渡し先の貯蔵施設の貯蔵能力の範囲内で放射性同位元素を譲り渡すことができる。
(管理区域内における運搬)
第42条 放射線取扱者は、管理区域内において放射性同位元素を運搬しようとするときは、法の定めるところにより、危険物との混載禁止、転倒、転落等の防止、汚染の拡大の防止、被ばくの防止その他保安上必要な措置を講じなければならない。
(学内における運搬)
第43条 放射線取扱者は、学内において放射性同位元素を運搬しようとするときは、前条に規定する措置に加えて、法の定めるところにより、次に掲げる措置等を講じるとともに、あらかじめ放射線取扱主任者の承認を受けなければならない。
(1)放射性同位元素を収納した輸送容器は、運搬中に予想される温度及び内圧の変化、振動等により亀裂、破損等が生ずるおそれがないよう措置すること。
(2)表面汚染密度については、搬出物の表面の放射性同位元素の密度が表面密度限度の10分の1を超えないようにすること。
(3)線量当量率については、搬出物の表面において2ミリシーベルト毎時を超えず、かつ、搬出物の表面から1メートル離れた位置において100マイクロシーベルト毎時を超えないよう措置すること。
(4)運搬経路を限定し、見張人の配置及び標識等の設置により、関係者以外の接近及び運搬車両以外の通行を制限すること。
(5)車両で運搬する場合は、運搬車両の速度を制限し、必要な場合には、伴走車を配置すること。
(6)必要に応じて、放射性同位元素の取扱いに関し相当の知識及び経験を有する者を同行させ、放射線障害防止のため必要な監督を行わせること。
(7)車両及び輸送容器表面に所定の標識をつけること。
(8)その他必要な措置を講じること。
(学外への運搬)
第44条 放射線取扱者は、学外へ放射性同位元素を運搬しようとするときは、あらかじめ放射線取扱主任者及び研究室長の承認を受け、施行規則第18条の2から第18条の7までに定める基準に適合する措置を講じなければならない。
(廃棄及び引き渡し)
第45条 非密封RIにより汚染され、又は汚染されたおそれがある物(以下「放射性廃棄物」という。)の廃棄は、次に掲げる方法によらなければならない。
(1)容器に封入し、保管廃棄設備に保管廃棄すること。
(2)排気設備により排気すること。
(3)排水設備により排水すること。
2 研究室長は、放射性廃棄物を保管廃棄する場合は、当該廃棄物の内容、種類、数量等を確認の上、行わなければならない。
3 研究室長は、保管廃棄した放射性廃棄物又は不要となった密封RIを廃棄業者に引き渡すことができる。
4 研究室長は、前3項に掲げる廃棄又は引き渡しを行う場合は、その旨を記録しなければならない。
(焼却炉による廃棄)
第46条 放射性有機廃液を焼却炉により焼却する場合は、次に掲げる事項に従わなければならない。
(1)焼却処理は、3H、14C、32P、35S及び45Caのみを含んだ液体シンチレーター廃液、モニタリングの際に採取した試料を含む液体シンチレーター廃液及び助燃剤に限ること。
(2)焼却する液体シンチレーター廃液中の放射性同位元素の濃度は、次の数値を超えないようにすること。
イ 3H、14C、35S37べクレル毎立方センチメートル
ロ 32P、45Ca、モニタリングの際に採取した試料を含む液体シンチレーター廃液に含まれるその他の核種3.7ベクレル毎立方センチメートル
2 研究室長は、焼却炉の安全運転、保守点検、廃棄作業並びに異常時及び危険時の措置に必要な教育訓練を受けた者の中から、運転担当者を選任しなければならない。
3 運転担当者は、放射線取扱主任者の管理のもとに、焼却炉の運転を行わなければならない。
4 運転担当者は、焼却炉を定期的に点検するとともに、運転前においても所定の点検を行い、異常を認めた場合は、適切な措置を講じなければならない。
5 運転担当者は、焼却炉の運転中に異常が発生した場合は、直ちに運転を停止し、放射線取扱主任者に報告するとともに、適切な措置を講じなければならない。
6 研究室長は、前各項により廃棄した場合は、記録しなければならない。
第7章 危険時の措置
(事故時の措置)
第47条 放射性同位元素について盗取、所在不明その他の事故が発生した場合、放射線取扱者は、当該事故の発生した施設の放射線取扱主任者に報告しなければならない。
2 放射線取扱主任者は、前項の報告を受けた場合、速やかに必要な措置を講じるとともに、研究室長に報告しなければならない。
3 研究室長は、遅滞なく事故の旨を所轄の警察署に届け出なければならない。
(危険時の措置)
第48条 地震、火災その他の災害に起因する放射線障害が発生した場合又は放射線障害の発生するおそれがある場合に、これを発見した者は、所轄の消防署及び当該事態の発生した施設の放射線取扱主任者に通報しなければならない。
2 前項の通報を受けた放射線取扱主任者は、必要な応急の措置を講じなければならない。
3 前項の措置を講じるため緊急作業を行う場合には、しゃへい具、かん子又は保護具の使用、放射線に被ばくする時間の短縮等により、緊急作業に従事する者の線量をできる限り少なくするよう努めなければならない。この場合において、放射線取扱者(女子については、妊娠不能と診断された者及び妊娠の意思のない旨を部局長に書面で申し出た者に限る。)にあっては、緊急作業を行う場合に限り実効線量について100ミリシーベルト、眼の水晶体の等価線量について300ミリシーベルト及び皮膚の等価線量について1シーベルトまでを限度とする。
(緊急時の措置及び報告)
第49条 放射線取扱主任者は、第47条第1項又は前条第1項の通報を受けた場合若しくは放射線の異常漏えい又は放射性同位元素による異常汚染が発生した場合は、必要な措置を講じるとともに、研究室長及び委員長に報告しなければならない。
2 放射線取扱主任者は、放射線取扱者等が実効線量限度又は等価線量限度を超え、又は超えるおそれがある被ばくをした場合は、必要な措置を講じるとともに、研究室長、被ばくした者の属する部局長及び委員長に報告しなければならない。
3 部局長及び研究室長は、前2項の報告を受けた場合は、必要な措置を講じるとともに、学長に報告しなければならない。
4 委員長は、第1項の報告を受けた場合は、委員会を招集し、事後措置について検討するとともに、その内容について学長に報告しなければならない。
5 学長は、前項の報告に基づき、必要に応じて事故対策委員会を設けるものとする。
6 前項の事故対策委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。
(1)学長
(2)委員長
(3)健康管理医
(4)健康管理部局長
(5)当該事態の発生により被ばくした者の属する部局長
(6)研究室長
(7)放射線取扱主任者
(8)その他学長が必要と認める者
7 学長は、文部科学大臣及びその他の関係機関に対して、次の事項が生じた場合はその旨を直ちに報告し、その状況及び事後措置については、10日以内にそれぞれ報告するものとする。
(1)放射性同位元素の盗取、所在不明が生じた場合
(2)放射線の異常漏えい又は放射性同位元素による異常汚染が発生した場合
(3)放射線取扱者等が実効線量限度又は等価線量限度を超えて被ばくした場合、又は超えて被ばくしたおそれがある場合
(4)前3号のほか、放射線障害が発生し、又は発生するおそれがある場合
(災害時の点検等)
第50条 研究室長は、地震、火災その他の災害が起きた場合は、施設等の点検を行い、その結果を速やかに学長に報告しなければならない。ただし、震度3以下の地震その他軽微な災害の場合にあっては、点検項目の一部又は全部を省略することができる。
2 研究室長は、前項の点検の結果、施設等に異常が認められた場合は、補修等の必要な措置を講じるとともに、点検の結果及び講じた措置について、学長に報告しなければならない。
第8章 雑則
(必要な措置の要請)
第51条 放射線取扱主任者は、放射線取扱者がこの規則に違反した場合又は違反するおそれがある場合は、研究室長に報告しなければならない。
2 研究室長は、前項の報告を受けた場合は、当該放射線取扱者の属する部局長と協議の上、放射線の取扱停止等の必要な措置を講じなければならない。
(雑則)
第52条 この規則の実施に関し必要な事項は、研究室長が別に定める。
附則
この規則は、平成13年4月1日から施行する。
先頭へ
第1章 総則(第1条−第5条)
第2章 組織及び職務(第6条−第15条)
第3章 施設の新設及び改廃並びに報告(第16条・第17条)
第4章 記帳、維持管理及び自主点検(第18条−第27条)
第5章 放射線取扱者の管理(第28条−第32条)
第6章 使用、購入、譲受け、保管、譲渡し、運搬及び廃棄(第33条−第46条)
第7章 危険時の措置(第47条−第50条)
第8章 雑則(第51条・第52条)